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空間の​重要性: Google の​科学を​活用した​学習効果向上方​法とは

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は​じめに

窓の​ない​白い​部屋に​硬い​プラスチックの​椅子が​ぎっしり​並んでいる​光景を​想像してみてください。​退屈に​感じてしまうのではないでしょうか。​殺風景な​環境で​自然光が​欠如すると、​モチベーション、​積極性、​創造性を​低下させる​ことが​知られています。​また、​座席が​固定されていると、​交流と​コラボレーションの​機会が​減少します。

では、​こんな​光景は​どうでしょう。​あなたは​自由に​移動できるように​いくつか​設置された、​座り心地の​よい​椅子に​座っています。​近くの​テーブルには​小さな​鉢植えが​置かれ、​窓から​太陽の​光が​差し込んでいます。​先ほどよりも​やる​気を​感じるのではないでしょうか。​自然の​環境と​快適な​家具が​あれば、​集中力、​創造性、​認知能力が​高まります。​また、​座席を​柔軟に​移動できるように​すれば、​人の​移動や​交流が​促されます。

Introduction

新しい​科学分野​「神経美学」

上記の​ 2 つの​対照的な​環境に​おいて、​人間の​脳が​どのように​情報を​学習し、​処理するか。​これは、​神経美学と​呼ばれる​新興の​科学分野の​重要な​関心領域の​一つです。​神経美学は、​神経科学、​認知科学、​心理学、​医学、​デザイン、​建築学、​芸術などのさまざまな​分野を​組み合わせて、​知覚、​感情、​意味論、​関心、​意思決定を​研究する​科学です。

神経美学の​研究者は、​従来の​五感の​枠組みを​超えて、​脳の​イメージングと​マッピングを​利用します。​これらに​よると、​思慮深く​多様な​空間を​設計すると、​脳の​活動を​活性化し、​ひいては​それが​学習成果を​高める​重要な​カギとなりうると​いう​科学的証拠が​示されています。

Google と​神経美学の​関わりの​歴史

2019 年、​Google School for Leaders​(マネージャーと​リーダーを​育成する​ための​ Google の​専門組織)は、​神経美学の​分野を​より​深く​理解し、​この​分野を​学習スペースの​設計に​役立てられないか​(研究に​裏付けられた​計画的な​アプローチを​どう​採用できるか)を​探究する​取り組みに​着手しました。

Google の​最初の​探究は、​ミラノの​国際デザイン見本市​「サローネ デル モービレ」で​行われました。​Google ハードウェア デザイン グループは、​一流の​神経美学研究者グループと​協力して​ 3 つの​部屋で​構成される​公開展示会を​開催しました。​それぞれ異なる​外観、​感触、​香り、​音に​加えて、​独自の​質感、​色彩、​デザイン要素を​備えた​部屋です。

希望する​参加者に、​空間に​よる​生物学的反応を​測定する​ための​特製リストバンドを​着用して​もらい、​見学の​最後に、​どの​部屋が​最も​くつろいで​過ごせたかを​示す科学的データが​確認できるようにしました。​この​「Space for Being​(そこに​いる​ための​空間)」​プロジェクトを​通して、​環境が​すべての​人間に​どれほど​深い​心理的影響を​及ぼすかが​明らかに​なりました。

神経美学の​原理を​学習スペースの​デザインに​応用する

Google School for Leaders は​この​取り組みを​さらに​発展させ、​ジョンズ ホプキンス大学の​ International Arts + Mind Lab​(IAM)​および​ Rapt Studio と​提携して、​カリフォルニア州マウンテンビューに​ある​ Google の​キャンパスに​専用学習スペース​「Schoolhouse」を​設置しました。​Schoolhouse では、​学習デザイナーは、​物理​空間の​活性化の​ために​次のような​神経美学の​基本原則を​利用しています。

個人、​少人数、​大人数用の​学習エリアを​備えた、​柔軟性の​高い​イベント スペース。​たとえば、​Schoolhouse の​中央の​部屋は​機械的に​上げ下げできる​カーテンで​ 3 つに​分割されており、​キャスター付きの​ソファ、​椅子、​棚、​植木鉢などを​柔軟に​配置してさまざまな​タイプの​セッションに​対応できるようになっています。

美しさと​機能を​兼ね備え、​色彩、​質感、​曲線、​コントラストに​それぞれ個性を​持つ、​厳選家具と​オブジェ。​好奇心を​刺激する​ため、​Schoolhouse には​慎重に​選ばれた​ 100 点以上の​オブジェが​展示されています。

the principles of neuroaesthetics

さまざまな​学習モードに​合わせて​キュレートされた​多様な​プレイリストで​再生される​音楽。​元々 Schoolhouse の​イベント用に​作成された​プレイリストですが、​現在は​世界各地の​リーダーシップ育成プログラムの​ファシリテーターが​使用しています。

施設の​役割の​理解と​施設内の​移動を​サポートする、​案内表示と​入場エクスペリエンス。​Schoolhouse で​開催された​ある​イベントでは、​プログラムの​参加者は​入場時に、​壁に​留められた​ミニチュアの​手編みの​セーターに​スマートフォンを​安全に​収納できるようになっていました。​この​エクスペリエンスは、​快適さと​セキュリティを​強調する​ための​ものです。

Applying the principles of neuroaesthetics to learning space design

自然環境要素。​日光を​最大限に​取り込み、​広々とした​眺めを​用意し、​植物を​配置し、​天然素材を​強調します。​Schoolhouse には、​屋外の​空間も​あり、​参加者は、​屋外の​環境で​認知的・​感情的な​影響を​受け、​それを​学習に​有効活用できます

学習の​可能性を​広げる

Google は、​どこで​どのように​学習するかが、​誰に​何を​教わるかと​同じ​くらい​重要である​ことを​認識しています。

Google School for Leaders は、​神経美学分野の​探究と​ Schoolhouse の​設計を​通して、​Google の​リーダーの​主要な​学習目標を​サポートする​一連の​デザイン原則を​発見しました。​現在、​これらの​原則は、​Schoolhouse と​世界各地の​小規模な​学習施設で​対面式学習エクスペリエンスを​デザインする​際に、​羅針盤の​役割を​果たしています。

どんな​規模の​組織でも、​大きな​仕掛けと​小さな​工夫で​空間を​活性化する​ことで、​目的に​適った​学習環境を​構築できます。​手始めには​次のような​アイデアが​参考に​なるでしょう。
  • 柔軟に​配置できる​スツールや​キャスター付きテーブルなどの​家具で、​ァシリテーターと​参加者が​その​時々の​アクティビティに​合った​スペースを​確保できるようにします。
  • 明確な​案内表示で、​到着時や​休憩時などの​参加者の​認知負荷を​軽減します。
  • 到着時、​休憩時、​移動時などに​合わせて​意図的に​音楽プレイリストを​選択して、​プログラムの​情緒的ムードを​形成し、​記憶を​補います。
  • 窓と​自然光で​ストレスを​軽減し、​気分を​高め、​前向きな​学習環境を​生み出します。
もっと​詳しく​調べたい​場合は、​次の​リンクを​ご覧ください。

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