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採用委員会を​設ける

Hire by committee

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は​じめに

Google の​採用プロセスには​採用委員会に​よる​レビューが​含まれています。​私たちの​研究では、多様な​意見を​持つチームの​方が、​より​偏見の​少ない​優れた​判断を​下せることが​わかっています。​これは​採用を​成功させるうえで​重要な​ことです。​Google の​採用マネージ​ャーは​ 自分の​チームの​ポジションへの​応募者を​不採用と​決める​権限を​持っていますが、​一人だけで​採用を​決める​ことは​できません。​採用するには​応募者を​採用委員会に​レビューして​もらう​必要が​あるのです。​このような​プロセスを​とるのは、​妥協せずに​最適な​応募者を​我慢強く​探し続けると​いう​ことは​マネージ​ャーに​とって​大変な​ことだからです。​特に、​採用プロセスが​長引くと​採用マネージ​ャーはとにかく​その​ポジションを​埋めたいと​考えがちです。​しかし、​短期的な​ニーズを​満た​すために​慌てて​採用しても、​長期的には​良い​結果を​もたらしません。​そこで​採用委員会が​ Google に​ふさわしい、​つまり​会社とともに​成長し、​今後​新たに​発生する​職務も​担える​応募者を​選定できるようサポートします。

採用委員会が​有効な​理由と​して、​以下が​挙げられます。

採用委員会を​設ける

Google の​採用委員会は​通常 4~5 人の​メンバーで​構成されます。​各メンバーには​面接の​経験が​あり、​それぞれが応募者に​求める​要件を​理解しています。​この​採用委員会には、​同じ​部門の​マネージャーの​ほかに​同等レベルの​従業員、​また​部​門間を​越えて​協働できる​能力を​測る​ために​他部門の​メンバーも​参加しています。​採用委員会は​会社の​部門ごとに​あり、​応募者を​レビューします。​つまり、​エンジニア採用委員会は​エンジニアの​応募者、​営業採用委員会は​営業の​応募者、​People Operations​(人事部)​採用委員会は​人事部門の​応募者を​レビューします。

面接担当者が​練習と​経験を​必要と​するように、​採用委員会の​新メンバーにも​練習と​経験が​必要です。​Google では​新メンバーが​採用委員会に​参加する​際、​最初の​ 3 回の​面接は​「シャドーイング」と​呼ばれます。​シャドーイングの​期間中、​新メンバーは​ディスカッションへの​参加を​求められます。​その後、​経験豊富な​メンバーが​新メンバーに​よる​フィードバックを​レビューし、​質問に​答えて、​新メンバーの​評価基準の​すり合わせを​サポートします。

採用委員会を​設ける​前に、​以下を​確認する​ことを​おすすめします。

**過去の​研究結果​: **
採用委員会の​メリット: 採用委員会の​メンバーに​なる​ことは、​次の​理由から​従業員に​とって​有益な​経験と​なります。
  • 採用委員会への​参加は​やりがいの​ある​仕事である。採用の​プロセスに​参加する​ことで、​会社の​成長に​直接貢献できます。​また、​面接担当者に​ガイダンスや​フィードバックを​提供する​責任も​与えられます。
  • 社内ネットワークが​できる。採用委員会への​参加は、​チームの​枠を​越えた​ネットワークを​作る​良い​チャンスです。
  • 視野を​広げ、​採用に​ついてより​深く​理解できる。これは、​組織を​成長させ、​組織文化の​担い​手と​しての​意識を​育むうえで​重要な​ことです。

委員会に​よる​レビューの​ための​情報収集

同じ​情報が​すべての​メンバーに​行き渡っていると、​意思決定の​質が​良くなる​傾向が​ある、と​いう​研究が​あります。​採用委員会では、​メンバー全員が​同じ​情報に​確実に​アクセスできるように、​情報が​共有されずに​話し合いが​行われないように​準備する​ことが​大切です。

採用委員会の​メンバーは、​応募者の​面接結果を​レビューする​ミーティングの​前に、​応募者に​関する​次のような​情報を​確認しておく​必要が​あります。
  • 応募者の​履歴書や​職務経歴書
  • 従業員からの​評判​(社内に​知人が​いる​場合)
  • 社内の​人物からの​推薦状​(ある​場合)
  • 面接での​質問と面接担当者の​フィードバック
  • 採用担当者の​メモ​(採用担当者が​重要だと​感じた、​複数の​面接担当者に​共通する​所感など)
下記の​情報に​ついては、​採用委員会は​考慮すべきでは​ありません。
  • 他社からの​オファー状況
  • 給与
採用委員会の​メンバーは、​応募者の​情報を​確認したら​各応募者に​対する​自分の​コメントを​ミーティングの​前に​まとめて​おきます。​その​後​ミーティングが​始まったら、​すべての​コメントを​他の​メンバーと​共有し、​審議に​入ります。

応募者の​評価と​提言

応募者の​評価

採用委員会は、​応募者の​質だけでなく​面接担当者からの​フィードバックの​質に​ついても​議論します。​応募者の​評価では​「採用」か​「不採用」かの​判断と、​その​応募者の​職務レベルに​関する​話し合いが​行われます。

採用委員会に​よる​結論

Google の​採用委員会は、​多数決ではなく​総意に​よって​採用が​決定されます。​ある​研究に​よると、全員の​合意に​よる​決定は​質が​高くなるとの​ことです。​これは​決定する​過程に​おいて​徹底的な​話し合いが​行われる​傾向が​ある​ためです。​採用委員会の​投票結果は、​「採用」​「不採用」​「保留あるいは​追加情報が​必要」の​いずれかに​なります。​「保留あるいは​追加情報が​必要」な​場合、​採用担当者は​再検討できるよう、​委員会からの​フィードバックに​基づいてさらに​多くの​情報を​収集します​(必要に​応じて​追加面接も​行います)。

フィードバック

効率的な​採用プロセスを​定着させる​ためには​面接担当者にも​フィードバックを​提供する​ことを​おすすめします。​採用委員会の​メンバーの​役割は、​面接担当者に​対して​建設的かつ前向きな​フィードバックを​提供する​ことです。​ある​研究に​よると、同僚からの​フィードバックは、​グループの​意思決定を​改善する​うえで​役立つとの​ことです。定期的に​フィードバックを​行うことで​面接担当者は​効果的な​面接を​実施できるようになり、​採用委員会の​メンバーに​よる​その​後の​ミーティングも​行いやすくなります。

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