マネージャーにコーチングを指導する
マネージャーにコーチングを指導する
はじめに
Google のマネージャー調査により、評価の高いマネージャーは優秀なコーチであることが明らかになりました。他の職業でも同じことが言えます。たとえばスポーツでは、多くの元アスリートが、コーチがどのように自分の人生を変えたかを語っています。コーチは選手の強さを見抜き、可能性を解き放ち、やり遂げるよう励まします。マネージャーが優秀なコーチになるには、チームメンバーそれぞれのニーズに焦点を当てるようにします。マネージャーのコーチングスタイルに柔軟性を持たせることも重要です。たとえば、チームメンバーが「ティーチング」の指導者を必要としているのであれば、マネージャーは具体的に物事を達成するための専門知識を伝えます。「ファシリテーション」の指導者を必要としているのであれば、マネージャーは答えを教えたりするのではなく、質問を投げかけて耳を傾けます。
コーチングに関連してマネージャーと共有すべきヒントをいくつか次に示します。
- チームメンバーと定期的に 1 対 1 ミーティングを持ち、チームメンバーの話をよく聞く
- 自分の考え方とチームメンバーの考え方に注意を払う
- アクティブ リスニングを実践して自由回答式の質問をすることで、チームメンバー自身による洞察を促す(「何が」「どのように」のように質問すると、幅広い回答を得られます)
- 具体的かつタイムリーなフィードバックを提供する
- 意欲を引き出すポジティブなフィードバックと発展につながるネガティブなフィードバックのバランスを取り、各チームメンバーの長所と改善すべき点を理解する
GROW モデルによるコーチング
GROW は英国で開発されたシンプルなコーチングのフレームワークで、Google がマネージャーにコーチング カンバセーションについて指導する時に使うツールの 1 つです。GROW モデルでは、コーチング のスタイルをチームメンバーのニーズとコーチングを受ける側の受け入れ度合いにあわせて柔軟に調整する重要性を強調しています。一般的には次のような場合に効果的です。
チームメンバー(従業員)
- コーチングを受けたいと思っている
- 話したい課題または問題を選んでいる
コーチ(マネージャー)
- 自分自身に仮定や思い込みがないか考える
- 双方向での会話をファシリテートする
- 解決案に向けて会話を組み立てていく
- アドバイスをやめるタイミングを見極め、チームメンバー自身に考えさせ次のステップを選択させる
効果的な 1 対 1 ミーティングの実施
Project Oxygen では、評価の高いマネージャーは低いマネージャーよりも頻繁にチームメンバーとの 1 対 1 ミーティングを行っていることがわかりました。チームメンバーとの個別ミーティングを頻繁に実施するとなるとかなりの時間を費やすことになりますが、早い段階で問題を特定してフィードバックや指導を行う機会にもなります。効果的な 1 対 1 ミーティングをどのように実施しているのか優秀なマネージャーに尋ねた結果から得たヒントをいくつかご紹介します。
定期的にミーティングを開く
- 毎週または隔週で 30~60 分、決まった時間に行う。
- 1 対 1 ミーティングは会議室や自分の席ではなく、オフィスの外で行う。
議題を決める
- アジェンダを作成・共有する。作成にはマネージャーとチームメンバーの双方が関わる。
- 議題の一例:
- 冒頭の質問、近況を尋ねる質問:「今日は何について話しましょうか??」「最近どうですか?」
- 障壁や課題
- 目標のアップデート
- アドミン業務に関するトピック(休暇の予定、経費報告など)
- アクションと合意項目を確認するための次のステップ
- キャリア形成とコーチング
1 対 1 で会う
- 開始時刻と終了時刻を守る
- できるだけアジェンダに従う
- ミーティングに集中する
- 意見を求める:「これまでに私がしていないことで、何かできることはありますか?」「もっとうまく、あるいはもっと頻繁に行った方がいいことはありますか?」
- やるべきことと次回の 1 対 1 ミーティングで話し合うことを確認する。
- 「ほかに何かありますか?」と尋ねる(後からいい質問が出てくることがよくあります)。
1 対 1 ミーティング テンプレート
このテンプレートを使って 1 対 1 ミーティングの準備、記録を行います。