Google では、Google における優れたマネージャーの要件を突き止めようとしました。しかし、研究チームが最初に行おうとしたのはその逆を証明することでした。つまり、マネージャーの重要性は低く、マネージャーの質はチームのパフォーマンスに影響を与えないということを証明しようとしたのです。この仮説は、Google の黎明期に一部の経営幹部やエンジニアに見られた、マネージャーはあまり好ましくないがやむをえないもので、官僚的なレイヤーにすぎない、という考え方に基づいていました。
研究チームは、マネージャーの質を 2 つの定量的尺度に基づいて定義しました。1 つはマネージャーの業績評価、もう 1 つは Google で年 1 回実施される社員アンケートからのフィードバックです。このデータによって、マネージャーの重要性がすぐに明らかとなりました。有能なマネージャーがいるチームは、満足度も生産性も他に比べて高いという結果が出ました。
しかし、マネージャーが重要であることはわかっても、優れたマネージャーの要件についてはわかりませんでした。そこで、社員にマネージャーについて聞くことにました。年に 1 回実施される社員アンケートのコメントと業績評価に目を通した研究チームは、評価の高いマネージャーに共通する 10 の行動様式を見つけました。また調査では、良いマネージャーと悪いマネージャーの行動の違いを説明するうえで役立つ実例を見つけるために、この 2 つのグループに二重盲検法のインタビューを実施しました。