コンピュータ サイエンス(CS)を専攻する学生数を増やすこと、テクノロジー業界でこれまで少数派であった女子学生や社会的マイノリティグループに属する学生の確保が、世界的に大きな課題となっています。Google はその理由を探るために、若い女性が CS の道を進むきっかけとなった主な要因を特定するための調査を依頼しました。
調査結果によると、女子学生や社会的マイノリティグループに属する学生が CS の道を選ばない理由としては、コンピュータ科学者に対するマイナス イメージや、「この分野にはコーディング以外に勉強する意義があるのか」という否定的な見方があるようです。つまり、先入観を取り払い、テクノロジー分野で活躍する社会的マイノリティの人々を紹介することによって、CS の魅力をより多くの人にアピールできる可能性があると言えます。
この調査に続いて Google が取り組んでいるのは、すべての学生が CS をもっと身近に感じ、CS に対する見方が変わるような戦略を立てることです。ハリウッドのスタジオや脚本家の協力を得て、CS を肯定的に扱ったストーリーや CS の多様なロールモデルを取り入れた作品の制作にも携わってきました。その際に利用したのが、制作の前段階、クリエイティブ面やビジネス面の意思決定を行う際に偏見を排除する手法です。2015 年には、ABC Family およびテレビドラマ『The Fosters』の制作陣とチームを組んで、登場人物の Mariana(ラテン系の 10 代の少女)がコーディングを学ぶストーリーの制作に加わりました。
無意識の偏見は個人的な経験によって形作られるだけではなく、メディアで使われるイメージや表現による影響を強く受けることも事実です。Google にとって、テクノロジー業界のダイバーシティが高まるよう働きかけることは、ビジネスの観点からも道徳的観点からもきわめて重要なのです。